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鴻池朋子 ハンターギャザラー アーティストトーク 秋田県立近代美術館 [美術館(の空間)が好き]

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秋田県立美術館で開催している、鴻池朋子ハンターギャザラー展へ。
会期末になってようやく行くことが出来ました。

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B1に当たる正面入口を入り、1Fから5Fへ直行のエレベーターへ。

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バブル時の設計なんでしょうか。来年開館25年だそうです。
美術館という異空間へ行く装置として良いと思います。

で、今回の展覧会。この装置を降りたところが正に異空間w。

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中央ホールにいきなり、これ。皮緞帳。
近代美術館は壁や天井が重さに耐える構造では無く、且つ、
高さの関係でここにしか展示できなかったとか。
(ちなみに現代美術館は、床でも壁でも釘打ち放題、重量物OKとか)

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皮緞帳、裏から。何十枚も繋いでいます。繋ぎ目は以前伺った
ベースボールステッチ。
この時=https://kamakesi01.blog.so-net.ne.jp/2014-04-03

通常の企画展は第一展示室から始まり第4展示室で終わるのですが、
今回は中央ホール、スロープギャラリー、第4展示室~第1展示室と
逆回り。

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森吉神社の避難小屋に展示していた 美術館ロッジ 舟。
現在改修中のため外されてます。なので?。戻すのかな??

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インスタレーション。6Fのバルコニーから第4展示室。
手前の円は動物の毛皮。クマとかキツネとか。害獣駆除されたもの。
奥のカービング壁画にはゴマフアザラシの毛。同じく害獣駆除。

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この展示は触れても良いそうです。熊の爪。

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こちらも、森吉山神社の避難小屋にあったもの。
いつも見上げていたので、この距離、この角度は新鮮。
避難小屋の様子=https://kamakesi01.blog.so-net.ne.jp/2014-04-20

映像作品もありました。「北の長持唄」
森吉山の雪中に首まで埋まって歌ってました。ガイドの福士さんと、
映像作家の長谷川さんと3人で登ったそうです。
クマの毛皮を着て阿仁川をカヌーで進む映像も。
バックに流れるのが秋田長持唄。歌っているのは鴻池朋子氏本人。
阿仁の文化センター講堂で少しずつズラしながら10回録音したとか。
それを重ねたのがとても良い雰囲気。デジタルじゃ無いリバーブ感。

最後の展示室は、「物語るテーブルランナー」。
鴻池さん本人の作品では無く、プロジェクト。
プロジェクト参加者の話を、他の参加者または本人がテーブルランナーに
仕立てた物。個人個人の物語(昔語り)が面白くて、ずっと見てました。
知ってる方の作品も発見。

この後、6F研修室でアーティストトーク。100分ほど。
印象的だった話をメモ的に。
・作品を作ることだけではなく、展覧会の企画段階、予算立て、
何回秋田に来て、スタッフはどうして、搬入・展示・撤去、旅費・運送費
etc。最後は、4tトラック2台に収まるはずと模型を作って実証。
 (全てが鴻池さんにとってはクリエイティブで楽しいらしい。自分感想)
・近代美術館は重量物に耐えられるように壁も天井も出来ていない。
絵より重い物は掛けられない。構造設計図を取り寄せ構想をした。鉄骨の位置。
・全員で現場で打ち合わせ。搬入、展示、制作の方々。現場がクリエイティブじゃ
なければクリエイティブな展示にならない。
・山(自然)の擬人化に対し、反語として、人間の自然化。自然=予測不能。


作品を作るだけなのでは無く、全てを作り上げるクリエイター、アーティスト
なんだと感じました。ますます面白い。