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木村伊兵衛の秋田 千秋美術館コレクション展 [美術館(の空間)が好き]

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秋田市立千秋美術館で、所蔵している木村伊兵衛の写真展が開催されています。
昭和27年から46年まで21回も秋田の農村地帯を訪れて撮影しているとのこと。
参考になるサイト=http://members3.jcom.home.ne.jp/hitorigoto/newpage2.html 

写真そのものよりも写っている事柄に興味があるそうで、ウチの父が行きたいと。
丁度嫁さんと行く予定だったので、母も参加し4人で千秋美術館へ。

展示場に入ってすぐ木村伊兵衛氏の写真。
実績や評価から、もっと怖そうな人かと思っていました。優しそうなおじさん。
すごく温厚な笑顔。農家の方々にも親近感をもたれ、すぐ打ち解けたそうです。
それでカメラを意識しない日常の姿に迫れた、等の解説がありました。

会場には多数の年輩者。ウチの父と同じように、写ってるものへの興味。
懐かしそうでした。同行者に写ってる道具の解説をしている人も。

私には、イヅメ(エヅメ)=ゆりかご、も箱ゾリも解説不要。どっちも体験してますw

ウチの父は、最後にあった魚取りの子どもたちと写ってる道具が懐かしかったそう。
弓に網を張ったような道具。子どもの頃買ってもらえなくて、でも隣の子が持ってて、
出戸沼で小魚獲ったそうな。足で追いたてて最後に網を入れるとかなり獲れたそうです。

母は、前半にあった人力で田均しをする道具。娘さんが縄で引っ張っり田んぼを歩いてました。
まさに、その道具を使ってたそうです。大変だったと。

父は果樹野菜農家、母は稲作農家の出身なので、お互い知らない事柄もあります。

木村伊兵衛の写真を鑑賞しに来た、というよりは昔の写真を見に来たという人だらけですが、
その人たちに何かを呼び起こし興奮させているのは、はやり木村伊兵衛の力なんだと思います。
表面的な風俗写真ではなく、その内面を切り取っているからではないかと。

解説に、内面が出ている一瞬にシャッターを切る、というようなことが書かれていました。
「姑」という写真。見てる私にも姑の苦々しい気持ちが伝わってきます。こぇ~…。

有名な「青年」「おばこ」(秋田びじょんのアレ)なんかは、フィルムのベタ焼きも展示
されており、どう撮影し、どのコマを選んだのか、等も見られます。

昔を懐かしむ方も、木村伊兵衛の凄さを感じたい方も楽しめる写真展だと思います。

帰りは向かいの岡田謙三展示室へ。
具象画の「熱河ラマ寺」、具象から抽象的な「詩人」。
私の好きな作品が展示されてました。地味に嬉しいw

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